部分矯正とは？できる範囲やメリット・デメリットを解説

「歯並びの気になる一部だけを手軽に治療したい！」と、お考えではありませんか？

前歯の一部分だけを治す治療を「部分矯正」といいます。全体矯正に比べて負担が少なく、近年注目の集まっている矯正方法です。

今回は、部分矯正の治療方法と、できる範囲やメリット・デメリットを解説します。

歯並びの乱れが気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

部分矯正の治療方法

部分矯正は、「前歯だけ」「下の歯1本だけ」など、一部分の歯並びだけを治療する矯正方法です。全体矯正よりも安い費用かつ短い期間で治療できるなどのメリットがあります。

治療方法としては、ワイヤー矯正(表側・裏側)と、マウスピース矯正があり、症例や予算により適している方法が異なります。

歯の表側にワイヤーとブラケットを用いて行う、もっとも一般的な矯正方法です。

装置の種類(素材)はさまざまあり、審美性に優れたものや強度に優れたものがあります。

装置が固定式のため歯に対して矯正力がかかりやすく、自分で装置の管理や調整をする必要はありません。

歯の裏側にワイヤーとブラケットを取り付けて歯を動かす矯正方法です。基本的には金属性の装置を用いますが、歯の裏側に装着するため周囲の人から装置が見えることはほとんどありません。

矯正力が必要なケースかつ、目だちにくい方法で治療を検討している方に向いているでしょう。

透明で目立ちにくいマウスピースを一定期間ごとに交換しながら、歯を動かしていく矯正方法です。

1日の装着時間をきっちり守っていれば、食事や歯磨きのときは取り外せるので、生活の質が下がりにくいことが特徴のひとつにあげられます。

部分矯正の値段や治療期間の目安は、歯並びの程度や使用する矯正装置によって異なります。

それぞれの値段と治療期間の目安は、次のとおりです。

ワイヤー矯正では、裏側矯正のほうが高い技術が求められるため費用もそのぶん少し高くなる傾向にあります。

治療期間は歯並びの程度によって左右されるため、矯正方法ごとに大きな差はでないでしょう。

部分矯正での治療が向いているのは、次のような症例です。

反対に、重度の歯並びの乱れは部分矯正では治せず、全体矯正で改善を目指します。

自己判断は難しいため、まずは矯正歯科に相談することからはじめてみましょう。

部分矯正は軽度の症例に向いている矯正方法のため、治療できない症例があります。

部分矯正で歯並びを改善できないのは、次のような症例です。

中度から重度の症例は全体矯正で治療を受ける必要があるため、部分矯正をおすすめしない歯科医院が多いでしょう。

どうしても部分矯正がいい場合は、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、説明を聞いてみるのがおすすめです。

部分矯正は軽度の症例であればメリットの大きい矯正方法ですが、いくつかのデメリットも存在します。

メリット・デメリットの両方をよく把握してから、部分矯正を受けるかどうか検討してみましょう。

メリット	デメリット
・費用を安く抑えられる・短い期間で治療が完了する・食事や歯磨きの不便を感じにくい	・噛み合わせの改善はできない・適している症例が限られている・噛み合わせが悪化することがある

部分矯正は限られた範囲のなかで歯を動かすため、歯並びの見た目が改善する代わりに、噛み合わせが悪化するケースが少なくありません。

無理に部分矯正で治療を受けると「思っていたような効果が得られなかった」という事態につながります。そうならないよう歯科医師とよく相談し、納得したうえで治療をはじめることが大切です。