人と話すときに口元が気になる。写真に写った自分の歯が、思っていたより黄ばんで見えた。そんなきっかけでホワイトニングを考え始める方は少なくありません。
ただ、ホームホワイトニングは1回で完結する施術ではなく、毎日続けていくものです。そのため「どのくらいで白くなるか」よりも、「いつまで続けるのか」「結局いくらかかるのか」が見えにくく、そこで足が止まってしまいがちです。ここでは、始めてから白さが安定するまでの流れと、費用がどう決まるのかを順に整理します。
ホームホワイトニングとは、自宅で歯そのものを漂白する方法
ホームホワイトニングは、歯科医院で作ったオーダーメイドのマウスピースに専用のジェルを入れ、自宅で装着して歯を白くする方法です。歯科医師の診断を受けて薬剤を処方してもらい、日々のケアは自分で進めます。
代表的に使われるのは過酸化尿素という薬剤です。口の中で分解して過酸化水素に変わり、これが歯の内部の色素を分解します。歯の表面についた着色汚れを落とすのではなく、歯そのものの色を明るくしていく点が特徴です。
市販のホワイトニング歯磨き粉やシートとの違いは、ここにあります。市販品に漂白作用のある過酸化物を配合することは法律で認められていません。そのため落とせるのは表面の着色汚れまでで、歯そのものの黄ばみには届きません。この差が、両者を分ける境目になります。
自宅でできる方法には、ほかにセルフホワイトニングや市販品もあります。それぞれの位置づけは自宅でできるホワイトニングの種類と選び方で整理しています。
白さが変わるまでの時間軸を4段階で押さえる
ホームホワイトニングでよく目にするのは「2週間で実感」「半年から1年持続」といった数字です。ただ、この2つは別々の段階の話なので、そのままつなげても自分の見通しにはなりません。開始から維持までを4つの段階に分けると、流れがつかみやすくなります。
1. 開始から2週間:変化を感じ始める段階
装着を始めてすぐに見た目が変わるわけではありません。白さの変化を自覚できるようになるまでには、2週間程度かかるのが一般的です。この時期は「効いていないのでは」と感じやすいところですが、色の変化は少しずつ進んでいます。
公益社団法人神奈川県歯科医師会も、同様の見方を示しています。同会が公開する解説(厚木歯科医師会会員 横田剛氏執筆)によれば、装着の目安は1日1回から2回、数時間です。そのうえで、数週間から数ヵ月で歯が白くなるといわれている、と説明されています。実感までに時間がかかるのは、この方法の性質によるものです。
2. 2週間から数ヶ月:目標の白さに近づける段階
変化を感じ始めたあとも、装着は続きます。どこまで白くしたいかによって、必要な期間は変わります。数ヶ月かけて続ける方もいれば、少し明るくなった時点で十分と考える方もいます。
この段階の長さは、もとの歯の色と本人の目標で決まります。逆にいえば、目標を決めないまま始めると、いつまで続ければよいのか分からなくなります。
3. 目標に届いたあと:どこで区切るかを決める段階
ホームホワイトニングには、あらかじめ決まった終了時期があるわけではありません。目標としていた白さに届いた時点が、ひとつの区切りになります。
歯の色は鏡を見ているだけでは変化を判断しにくいものです。そのため、シェードガイドと呼ばれる色見本や、開始前に撮っておいた写真と見比べる方法が使われます。判断の基準を先に用意しておくと、区切りをつけやすくなります。
4. 維持:間隔をあけて再開する段階
白さは永久に続くものではありません。飲食物による着色や加齢によって、色は徐々に戻ります。そのため、しばらく間隔をあけてから短期間だけ再開し、白さを保つ進め方がとられます。
維持に必要な頻度は、もとの歯の色や生活習慣によって変わります。コーヒーや紅茶、赤ワインを口にする機会が多い方は、色が戻るのが早い傾向にあります。
期間を左右するのは、この4段階のうち2番目と4番目です。そして2番目の長さを決めるのは、自分で設定した白さの目標にほかなりません。終わりを決めるのは時間ではなく目標だと考えると、見通しが立てやすくなります。
1日の使い方と、続けやすさを左右するもの
1日の流れそのものは単純です。歯を磨いてからマウスピースにジェルを入れ、決められた時間だけ装着します。外したあとは口をすすぎ、マウスピースを洗って乾かします。
装着時間は薬剤の濃度とセットで決まっている
装着時間は自由に決めてよいものではなく、処方された薬剤の濃度と組み合わせて設計されています。国内で承認されている薬剤では過酸化尿素10%程度が代表的で、この場合の装着時間は1日2時間程度が目安です。濃度が高い薬剤では、30分から1時間程度と短く設定されます。
濃度が高いほど装着時間は短いという関係なので、長く着ければ早く白くなるという考え方は当てはまりません。指示された時間を守ることが、結果的に近道になります。
ジェルの量は多くしても効果は上がらない
ジェルは多く入れれば効くというものではありません。量が過剰だとマウスピースからはみ出し、歯ぐきに触れて刺激になります。装着後に歯ぐきが一時的に白っぽくなるのは、これが原因の場合があります。
はみ出した分は装着前に拭き取ります。適量は処方のときに説明を受けられるので、その指示に沿って進めれば問題ありません。
マウスピースの適合が仕上がりを左右する
薬剤を歯全体に均一に届けるには、歯型に合ったマウスピースが欠かせません。適合がゆるいと薬剤が偏り、色ムラにつながります。歯科医院で3Dスキャンなどによって歯型を採り、その人専用に作るのはこのためです。
マウスピースの作り方や日々の手入れについては、ホームホワイトニングのマウスピースとは?で詳しく扱っています。
費用は「単価×続ける月数」で決まる
ホームホワイトニングの費用は、大きく2つに分かれます。マウスピースの作製を含む初期費用と、薬剤を追加していく継続費用です。
一般的な相場としては、マウスピースの作製と初回分の薬剤を合わせて2万円から5万円程度が目安として示されることが多くなっています。ただし、この金額に何が含まれるかは歯科医院によって異なります。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
ここで気をつけたいのは、相場として示される金額の多くが初期費用にあたるという点です。ホームホワイトニングは続けることで白さを積み上げていく方法なので、目標に届くまで薬剤を追加していきます。総額は「1ヶ月あたりの費用 × 続ける月数」で決まる、という構造になっています。
先ほどの時間軸で触れた「どこまで白くするか」の目標が、そのまま予算を決めるということです。目標を決めずに始めれば総額は読めなくなり、目標が決まっていれば必要な月数から総額を見積もれます。
月額制をとっている場合は、この構造がそのまま料金の形になります。東京表参道矯正歯科のホワイトニングでは、マウスピースをお持ちでない方が初月22,000円(税込)、2ヶ月目以降は月々11,000円(税込)です。マウスピースをすでにお持ちの方は、初月から11,000円(税込)となります。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
自分の歯の状態ならどのくらいの期間が必要か、費用がいくらになるかは、診察を受けると具体的になります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
知っておきたい注意点とリスク
続ける方法だからこそ、事前に把握しておきたい点がいくつかあります。
歯がしみることがある
薬剤が象牙質に届く過程で、冷たいものが響いたり、じんとした感覚が出たりする場合があります。多くは一過性で、使用を止めれば落ち着いていきます。
対処としては、装着時間を短くする、使用の間隔をあける、知覚過敏を抑える薬剤を併用するといった調整がとられます。症状が続くときは自己判断で続けず、歯科医師に相談してください。
人工物は白くならない
薬剤で色が変わるのは天然の歯だけです。詰め物や被せ物、差し歯、インプラント、セラミックは色が変わりません。
そのため、前歯に人工物が入っている方は、周囲の歯が明るくなるほど色の差が目立つことがあります。人工物の色を合わせ直す場合は作り替えが必要になるため、始める前に歯科医師と方針を相談しておくと安心です。
効果が出にくい歯質がある
すべての変色が同じように反応するわけではありません。テトラサイクリンという抗菌薬の影響による変色や、加齢で象牙質の色が濃くなった黄ばみは、明るくなりにくい傾向があります。神経を失った歯の変色も、期待どおりに反応しないことがあります。
こうした歯には別の選択肢が検討されるため、まず原因を診てもらうところから始めます。
色は徐々に戻る
到達した白さがそのまま維持されるわけではありません。日々の飲食による着色は避けられないため、時間とともに少しずつ色は戻ります。維持のためのケアを前提に考えておくと、期待とのずれが起きにくくなります。
受けられない場合と、始める前に済ませておくこと
安全に進めるうえで、適応の線引きも押さえておきたいところです。
無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方は受けられません。また、未治療のむし歯や重度の歯周病がある場合、エナメル質形成不全がある場合も、そのままでは進められません。未成年については年齢だけで一律に判断されるものではなく、歯の成熟度によって適応が変わります。
始める前にむし歯や歯周病の治療を済ませておくのは、薬剤がしみたり症状を悪化させたりするおそれがあるためです。あわせてクリーニングで表面の着色や歯石を落としておくと、薬剤が歯に均一に作用しやすくなります。
自分が対象にあてはまるかどうかは、口の中を診てもらわないと判断できません。まずは歯科医師の診察を受けるところから始めます。
適応や進め方に不安がある方は、一度相談してみるところから始めてみてください。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
ホームホワイトニングに関するよくある質問
効果はどのくらいで実感できますか
白さの変化を自覚できるまでは2週間程度が目安です。目標の白さに届くまでにはさらに時間がかかり、もとの歯の色や目標によって数ヶ月かかる場合もあります。
途中でやめても大丈夫ですか
やめること自体に問題はありません。ただし、その時点までに得られた白さは時間とともに戻っていきます。再開したい場合は、あらためて歯科医師に相談します。
一度白くなればもう続けなくていいですか
色は徐々に戻るため、白さを保ちたい場合は間隔をあけて短期間だけ再開する進め方がとられます。どのくらいの間隔で行うかは、歯の状態や生活習慣によって変わります。
矯正中でもホームホワイトニングはできますか
装置の種類と治療の段階によります。可否の考え方は矯正中にホワイトニングはできる?で解説しています。担当の歯科医師に確認したうえで進めてください。
まとめ
ホームホワイトニングは、自宅で歯そのものを漂白していく方法です。白さの変化を実感するまでに2週間程度、目標の白さに届くまでにはさらに時間がかかり、到達後は間隔をあけて維持していきます。
費用は「1ヶ月あたりの費用 × 続ける月数」で決まるため、どこまで白くしたいかを先に決めておくと、期間も総額も見通せるようになります。しみやすさや人工物の有無によって進め方は変わるので、まずは口の中の状態を診てもらうところから始めてみてください。
東京表参道矯正歯科のホワイトニング
通院の負担を抑えたい方に向けて、オンライン診療と自宅でのケアで進めるホワイトニングをご用意しています。3Dスキャンで採得した歯型からオーダーメイドのマウスピースを作成し、歯科医師の診断のもとでホワイトニング剤と知覚過敏抑制剤をお届けします。
- 診察はオンラインで完結。マウスピースをお持ちの方は来院いただく必要がありません
- 歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースで、薬剤を歯の隅々まで行き渡らせます
- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

