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ホワイトニングの痛みは「一過性」だが、数え始めるのは止めてから|日数の起点を中立解説

痛みが出てから目にする言葉は、だいたい揃っています。一過性のものです、数日でおさまります、続くようなら相談してください。

それを読んで、あと何日かと数えている方は多いと思います。この日数の起点は、多くの場合、施術からの経過として示されています。医院で受けて終わる方法なら、それで数えられます。

ただ、自宅で毎日続けている場合は、どこを施術にあたる時点と見るのかが決まりません。ここが決まらないと、待っている間に装着を続けてよいのかも決まりません。

日数を示している文のなかには、別の起点を書いているものがあります。止めることが先にあって、日数はそのあとの話という順序です。ここを見ていきます。

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目次

「一過性」に付いている条件

一過性であること自体は、広く書かれているとおりです。争点はそこではありません。

一般社団法人日本歯科審美学会が2018年に作成した「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」という文書があります。歯科医師と歯科衛生士に向けたもので、原文は利用を学会の会員に限ると書いています。患者に手渡される指示書ではありません。地の文が「説明する」という形になっているのはそのためです。

そのなかに、次の一文があります。

知覚過敏は通常一過性で、ホワイトニングを中止すれば数時間から数日で消失するとされているが、症状が著しい場合は適切な知覚過敏処置を行う。

— 一般社団法人日本歯科審美学会「歯のホワイトニング処置の患者への説明と同意に関する指針」(2018年作成)「1. 患者に説明すべき事項」5) より

「数時間から数日で消失する」の前に、「ホワイトニングを中止すれば」が付いています。

一過性であることの目安として日数が示されるとき、それは施術を受けた日から数えたものとして説明されることがあります。指針のこの一文が数えているのは、中止したときからのほうです。同じ「一過性」を指していても、数えている区間が違います。

この文書については、原文に患者とのトラブル回避を保証するものではないとも書かれています。ここから取り出せるのは「こう決まっている」ではなく、説明する側が何を伝えることになっているかです。それでも、日数に条件が付いているという一点は動きません。

起点が変わると、待ち方が変わる

条件が付くと何が変わるのか。数え方が変わります。

この条件が付いているのは、薬剤が歯に作用したことで生じる知覚過敏と、自宅で行う方法で挙げられている症状です。処置中に薬剤が歯ぐきに付いてヒリヒリする場合については、原文でも別の書き方になっています。

施術からの経過で数えるなら、装着を続けていても日数は進みます。あと1日で48時間だから今夜も入れておこう、という形になります。施術のあと自分で薬剤を使う場面がない場合は、これで待ち方が決まります。

一方、止めてから何日、という数え方であれば、装着を続けている間は日数が進みません。原文の数え方に沿えば、3日続けていたなら、その3日はまだ0日目ということになります。

同じ「数日」でも、行動が逆になります。前者は続けながら待つ形で、後者は続けている限り待つ状態に入れません。

痛みが出ている状態で「もう少しで治まるはず」と思えるのは、時間のほうを起点に置いているときです。そう考えていると、止めるという選択が、対処ではなく途中でやめることとして見えてきます。

起点が違うだけで、この見え方が変わります。止めることは、待ち始めるための手順の一部です。

なお、しみる感覚がなぜ生じるのかという仕組みはホワイトニングの知覚過敏は歯が傷んだのではないにまとめています。

原文が痛みとして挙げている場所は4つ

同じ文書には、自宅で行う方法の手順書の例も載っています。実際に使用する薬剤の添付説明書に従って各医院が自院用の説明書を作る、その下敷きにするものです。手元に説明書があるなら、そちらが自分に当てはまるものになります。

そこに、次の一文があります。

ホワイトニング中に歯の知覚過敏や歯肉、舌、唇などの痛みが生じる事があります。

— 同上・ホームホワイトニング手順書の例より

歯と歯肉のほかに、舌と唇が並んでいます。

痛みの話は、歯がしみるか歯ぐきがヒリヒリするか、という形で語られてきたところです。原文はそこに2つ足しています。舌や唇に何か感じたとき、それを別のこととして扱わなくてよい、ということになります。

しかも原文は「歯肉、舌、唇など」と書いていて、この4つで閉じてもいません。ここに挙がっていない場所であっても、同じように扱われます。

この文に続けて、症状が出た場合は使用を中止して歯科医師に相談するように、と書かれています。場所によって扱いを分けてはいません。

歯と歯ぐきのどちらなのかを見分ける手がかりはホワイトニングが痛いときは場所で原因が絞れるにあります。

痛みという形では出ないもの

同じ文書の、知覚過敏を扱った節に戻ります。

そこには、自宅で行う方法で生じる可能性のあるものとして、痛み以外のものも並んでいます。歯ぐきの灼熱感、トレーを装着することによる吐き気や噛みあわせの不具合、ジェルを飲み込んでしまうことによるのどの痛みです。

このうち、痛みという言葉で結びつくのは最後のひとつだけです。

吐き気や噛みあわせの違和感は、痛みを探しているときには視界に入りません。トレーが合っていないのだろう、体調のせいだろう、と別の枠に入ってしまいます。

原文は、これらについても、症状が出た場合はホワイトニングを中止して報告し、指示を受けるようにと書いています。

ここで挙げたものは、当てはまったら大変なことになるという意味の一覧ではありません。中止して伝える対象に入っている、という意味の一覧です。何かおかしいと感じたときに、ホワイトニングと関係のないこととして切り離さずに済みます。

再開をいつにするかは、止めた側では決まらない

止めたあとの話です。

先ほどの手順書の例には、こう書かれています。

症状は使用を中断してから1~2日で消失し、(中略)使用の再開は歯科医師の指示に従って下さい。

— 同上・ホームホワイトニング手順書の例より

ここでも「使用を中断してから」が起点です。そして最後に、再開は指示に従うことが置かれています。

順序としては、中止があって、相談があって、そのあとに再開の判断が来ます。再開を決める位置が、止めた側には置かれていません。

これは、連絡することの意味が変わるところです。症状の重さを申告して、受診するほどかどうかを判定してもらう、という形で考えると、たいしたことがない気がして連絡しづらくなります。そうではなく、再開してよいかを決めてもらう連絡という形であれば、症状が軽いか重いかは連絡するかどうかの条件になりません。

なお、一過性について引いた一文の後半にある「症状が著しい場合」の判断も、処置を行う側に置かれています。自分を当てはめて仕分ける区分ではありません。

痛みが出ること自体は、始める前に説明を受けているはずの項目でもあります。この指針は患者に説明すべき事項を並べていて、そのなかに知覚過敏をはじめとする不快事項が起こりうることが入っています。同意書の例にも、その項目のチェック欄があります。想定されている範囲に置かれているものです。

再開のときに濃度や時間をどう調整するかという話は、指示を受けたあとに出てきます。どんな選択肢が示されうるかはホワイトニングの知覚過敏は歯が傷んだのではないにまとめています。中断したときの扱いについてはホワイトニングの選び方で扱っています。

いま進めている歯科医院があるなら、まずはそちらに経過を伝えてください。これから始めるかどうかも含めて相談したい場合は、いまの状態を見るところからになります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら

止めるタイミングと再開に関するよくある質問

痛みが出たあとも装着を続けていました。数え直しになりますか

止めた時点から数え直します。それまでの日数がなかったことになるのではなく、数える起点がそこに移るということです。

続けていた期間は、伝えるときの材料になります。いつ出たか、続けているあいだに強くなったか、変わらないままだったか。経過として残っているものなので、そのまま話せます。

止めているあいだに白さがどう動くかはホワイトニングの知覚過敏は歯が傷んだのではないにあります。再開してからどう間隔を取るかはホワイトニングの頻度は2段階で変わるにまとめました。

痛みが出たのは、薬剤が合っていないということですか

痛みが出る可能性は、始める前に説明することとして指針に挙げられている項目です。合っているかどうかは、症状の有無だけでは分かれません。

痛み止めでしのいで続けてはいけませんか

続けるかどうかは、痛み止めとは別の問題です。痛み止めで感じにくくしても、止めてからの日数は進みません。原文が置いている順序は、中止が先で、そのあとに相談です。

そのうえで、飲むかどうかは、飲み合わせもあるため自分で決めずに確認してください。

前回しみたので、次は薬剤を弱くしてもらえば同じことは起きませんか

調整の方向としてはあります。ただ、弱くすれば起きないと決まるものではありません。

もうひとつ、濃度のほうを先に決めて持ちかけると、選べる幅がそこで狭まります。濃度は作用させる時間とセットで決まっているので、片方だけを動かす前提の相談になってしまうためです。この決まり方はオフィスホワイトニングの薬剤にまとめています。

そこから何を変えるかは、前回いつ出て、どのくらい続いたかで決まります。

前回の経過を伝えてもらえれば、次に何を確かめるかを一緒に見られます。オフィスホワイトニングの詳細はこちら

まとめ

ホワイトニングの痛みが一過性とされるのは、そのとおりです。ただ、そこに示される日数には条件が付いています。

日本歯科審美学会の指針は「ホワイトニングを中止すれば数時間から数日で消失するとされている」と書いています。自宅で行う方法の手順書の例では「使用を中断してから」が起点です。装着を続けている間は、日数が進みません。

原文が痛みとして挙げているのは、歯と歯肉に加えて舌と唇で、そこで閉じてもいません。そのほかに、歯ぐきの灼熱感、吐き気や噛みあわせの不具合、のどの痛みが同じ文書の別の節に並んでいて、扱いは同じです。

そして、再開の判断は止めた側には置かれていません。連絡は症状の重さを申告するためというより、再開してよいかを決めてもらうためのものです。止めることは、待ち始めるための手順の一部にあたります。


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