マウスピースと薬剤を受け取って、家で始めてみた。手順は説明を受けたはずなのに、いざひとりでやると細かいところが気になってくる。ジェルの量はこれでいいのか、時間は足りているのか。そんな状態で続けている方は少なくありません。
手順の順番だけを知っていても、自分のやり方が合っているかは判断できません。それぞれの工程が何のためにあるのかが分からないと、確かめようがないからです。ここでは、1日の手順を工程の意味とセットで整理したうえで、うまくいかないときにどこを見直せばよいかまで見ていきます。
始めるまでの流れ
すでに始めている方は、次の見出しから読み進めてください。ここでは受け取りまでの流れを確認します。
最初にカウンセリングで希望する白さを共有し、口の中の検査を受けます。むし歯や歯周病がある場合は治療を先に済ませます。薬剤が歯の内部に入って強い痛みが出ることがあるためです。
続いてクリーニングで歯石や表面の着色を落とします。これは仕上がりに関わる工程です。汚れが残ったまま薬剤を乗せても、歯の面に均一に届かず、色の入り方にムラが出ます。
そのあと歯型を採り、自分の歯に合わせたマウスピースを作ります。受け取れるまでには数日から1週間程度かかります。受け取りの日に薬剤と使い方の説明を受けて、そこから自宅でのケアが始まります。
マウスピースそのものについてはホームホワイトニングのマウスピースとは?で、全体の進み方についてはホームホワイトニングとは?で扱っています。
1日の手順 ― 工程の意味とセットで
ここからが毎日の作業です。4つの工程それぞれに理由があるので、順に見ていきます。
①歯を磨く
装着の前に歯を磨きます。歯垢や食べかすが残っていると、その部分に薬剤が届きません。せっかく装着しても、汚れの下だけ色が変わらないという結果になります。
磨いたあとは口をすすぎます。研磨剤の粒が残っていると装着感が悪くなるので、しっかり流しておきます。
②ジェルを入れる
マウスピースの内側には、歯の前面にあたる部分に液だまりのくぼみがあります。ジェルはここに入れます。歯1本分ごとに、少量ずつ置いていく形です。
量の目安は、くぼみの底に線を引く程度です。マウスピースいっぱいに満たす必要はありません。装着すると歯に押されて広がるので、少量でも歯の面には行き渡ります。
多く入れすぎると、装着したときに縁からあふれて歯ぐきに触れます。薬剤が歯ぐきに長く触れると、一時的に白っぽくなったり刺激を感じたりすることがあります。逆に少なすぎると、届かない部分が出て色の入り方に差が生まれます。
③装着する
装着する前に、歯の表面をティッシュで軽く押さえて唾液を拭き取ります。この工程は省かれやすいのですが、意味があります。唾液が残っていると薬剤が薄まり、マウスピースと歯のあいだに膜ができて密着しなくなるためです。
マウスピースは鏡を見ながら、浮いている部分がないか確認して入れます。指で軽く押さえて全体をなじませると、ジェルが均等に広がります。
はみ出したジェルがあれば、指や綿棒で拭き取っておきます。歯ぐきに残したままにしないためです。
④外して洗う
時間が来たらマウスピースを外し、口をよくすすぎます。歯に残ったジェルは歯ブラシで落とします。
マウスピースは流水で洗い、水気を切って風通しのよい場所で乾かします。ここで気をつけたいのが水温です。熱いお湯で洗うと変形して合わなくなることがあるので、水かぬるま湯を使います。乾いたら専用のケースに入れて保管します。
装着時間の考え方
装着時間は自分で決めるものではなく、薬剤の濃度に合わせて決まっています。
国内で承認されている自宅用の薬剤では、過酸化尿素10%程度が代表的です。この場合の装着時間は1日2時間程度が目安になります。濃度が高い薬剤では30分から1時間程度と、より短く設定されます。濃度が高いほど短時間、低いほど長時間という組み合わせです。
ここで押さえておきたいのが、時間を延ばしても白くなるのが早まるわけではないという点です。薬剤が作用する量には限りがあるため、指定より長く付けたところで進み方は変わりません。むしろ、歯や歯ぐきへの刺激が続くぶん、しみる感覚が強く出やすくなります。
逆に、短すぎると薬剤が作用しきらないまま終わります。時間がないからと切り上げる日が続くと、日数だけが過ぎて変化が出にくくなります。
装着は夜に行う形が取られやすい進め方です。まとまった時間を確保しやすいことと、装着中は飲食ができないため、食事の予定と重ならない時間帯のほうが続けやすいことが理由です。
なお、使う薬剤の濃度は医院で処方されるものによって決まります。自分で選ぶものではないので、指定された時間を守ってください。
うまくいかないときに見直す場所
続けているのに思ったように進まない。そういうときは、結果ではなく工程のどこかに原因があることが多いものです。症状ごとに見直す場所を挙げます。
歯ぐきがしみる、白っぽくなる場合は、ジェルの量を見直します。多く入れすぎて縁からあふれ、歯ぐきに触れている可能性があります。量を減らし、装着後にはみ出した分を拭き取るだけで収まることがあります。歯ぐきの白っぽさは一時的なもので、時間とともに戻るとされていますが、続く場合は医院に伝えてください。
一部だけ色が変わらない場合は、密着を見直します。唾液を拭き取らずに装着している、マウスピースが浮いたまま入っている、装着後に押さえていないといった点が考えられます。歯並びによってはもともと薬剤が届きにくい部分もあるので、その場合は医院で確認してもらいます。
全体に変化が感じられない場合は、装着時間と続け方を確認します。指定された時間に届いていない、抜ける日が多く連続していないというケースです。これらに当てはまらない場合は、もともと薬剤に反応しにくい歯質という可能性もあります。テトラサイクリンという抗菌薬の影響による変色や、神経を失った歯の変色がこれにあたります。
歯そのものがしみる場合は、やり方の問題とは限りません。装着時間を短くする、行う間隔をあけるといった調整で続けられることが多いので、自己判断で中断せずに相談してください。知覚過敏を抑える薬剤を併用する方法もあります。
自分のやり方のどこを直せばよいかは、口の中を見てもらうとはっきりします。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
続けるための工夫
自宅で行う方法は、続いたぶんだけ進みます。手順を守れるかどうかは、生活のどこに組み込めるかで決まる部分が大きいので、いくつか挙げておきます。
まず、行う時間帯を先に決めます。就寝前の歯磨きから装着までを一連の流れにしてしまうと、思い出す必要がなくなります。
次に、道具の置き場所を固定します。マウスピース・ジェル・ケースが別々の場所にあると、それだけで面倒になります。
ジェルは冷蔵庫で保管する指示が出ることがあります。その場合、使う1時間ほど前に出しておくと常温に戻り、扱いやすくなります。冷えたままだと固く、くぼみに入れにくいためです。
抜けた日があっても、そこで止めにする必要はありません。翌日から再開すれば続けられます。ただ、抜ける日が重なるようであれば、装着時間や進め方そのものを組み直したほうが現実的です。その時点で相談してください。
自宅で行う方法の全体像は自宅でできるホワイトニングの種類と選び方でも整理しています。
変化が出るまでの目安
毎日続けた場合、2週間程度で変化を感じる方が多いとされています。ただし、もとの歯の色や目標によって前後するため、そこから先も続けるケースがあります。
費用の面では、マウスピースの作製と初回分の薬剤を合わせて2万〜5万円程度が一般的な目安とされています。続ける期間が延びれば、その分だけ薬剤の費用が加わる構造です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
総額の見方はホワイトニングの値段はいくら?で扱っています。
気をつけること
手順に付随して、押さえておきたい点を挙げます。
装着したあとしばらくは、色の濃い飲食物を控える時間帯があります。薬剤を使った直後の歯は着色を受けやすい状態のためです。どのくらい空けるかは使う薬剤によって変わるので、受け取りのときに確認しておきます。
詰め物・被せ物・差し歯・インプラントは、薬剤では明るくなりません。色が変わるのは天然の歯だけなので、周囲が明るくなるほど人工物との差が出ます。前歯に人工物が入っている場合は、扱いを先に決めておきます。
受けられない場合もあります。無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方は対象外です。未治療のむし歯や重度の歯周病がある場合は、治療を済ませてから始めます。
自分の歯の状態でどう進めるのが適切かは、診察で確認できます。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
ホームホワイトニングのやり方に関するよくある質問
朝と夜、どちらに行ってもいいですか
時間帯そのものに決まりはありません。装着中は飲食ができないため、まとまった時間を確保しやすい夜に行う方が多くなっています。朝の支度の時間に装着する形でも、指定された時間を確保できるのであれば問題ありません。
装着中に眠ってしまっても大丈夫ですか
薬剤によって扱いが違うため、就寝中の装着が想定されているかどうかを確認してください。指定の時間を大きく超えて装着すると、しみる感覚が出やすくなります。長時間の装着を前提としない薬剤の場合は、目覚ましを使うなどして時間を守るほうが安全です。
何日か抜けてしまいました。やり直しになりますか
やり直しにはなりません。翌日から再開すれば続けられます。ただ、抜ける日が重なると想定した進み方から離れていきます。続けにくい状況が出ているなら、その時点で装着時間や計画の見直しを相談してください。
装着中に水を飲んでもいいですか
薬剤が薄まる可能性があるため、装着中の飲食は控えるのが基本です。どうしても必要な場合の扱いは薬剤によって違うので、受け取りのときに確認しておいてください。
まとめ
ホームホワイトニングの手順は、歯を磨く・ジェルを入れる・装着する・外して洗うという4つです。それぞれに理由があります。歯磨きは薬剤を歯の面に届かせるため、唾液の拭き取りは密着させるため、ジェルの量の調整は歯ぐきへの刺激を避けるためです。
装着時間は薬剤の濃度に合わせて決まっているものです。延ばしても進み方は変わらず、しみる感覚が強く出やすくなるため、指定された時間を守るのが結果的に近道になります。
思ったように進まないときは、ジェルの量・密着・装着時間のいずれかに原因があることが多いものです。見直しても変わらない場合や、しみる感覚が続く場合は、自己判断で中断せずに相談してみてください。
東京表参道矯正歯科のホワイトニング
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- しみる症状に備えた知覚過敏抑制剤を同梱。経過はLINEでご相談いただけます
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

