「歯並びを直したいけれど、矯正は高くて手が出ない」。そう感じて、少しでも安くする方法を探している方は多いと思います。
矯正の費用を安くする方法は、実はそれほど多くありません。 動かす範囲を絞る、装置を選ぶ、総額で比べる、支払いと税金の仕組みを使う。この4つがほぼすべてです。 逆に、費用を下げようとして検査や保定を削ると、やり直しになってかえって高くつくことがあります。
この記事では、矯正を安くする4つの方法を、それぞれどれくらい差が出るのかの目安とあわせて解説します。 カウンセリングで見積もりを受け取ったときに確認すべき項目もまとめました。
矯正を安くする方法は大きく4つ


矯正の費用は、主に「どこまで動かすか」「どの装置を使うか」で決まります。 そこに、装置代以外の費用と支払い方法が加わって、最終的な負担額になります。
- 動かす範囲を絞る(前歯だけの部分矯正を検討する)
- 装置の種類で選ぶ(表側・裏側・マウスピースで費用が違う)
- 装置代ではなく総額で比べる(調整料や保定装置の費用まで含める)
- 支払い方法と医療費控除で負担を軽くする
いちばん差が大きいのは1つ目です。順に見ていきます。
方法1:動かす範囲を絞る


矯正費用にいちばん大きく影響するのは、奥歯まで動かすか、前歯だけを動かすかです。
| 治療方法 | 上下前歯だけ(部分矯正) | 奥歯まで含む |
|---|---|---|
| 表側矯正 | 28万〜39万円 | 50万〜110万円 |
| 裏側矯正 | 39万〜61万円 | 80万〜165万円 |
| ハーフリンガル矯正 | 50万円前後 | 66万〜143万円 |
| マウスピース矯正 | 33万〜61万円 | 28万〜132万円 |
※ 当院調べ(2026年9月時点・公開されている料金ページ4件より、すべて税込に換算)。 医院により設定は異なります。
表側矯正で比べると、前歯だけなら28万〜39万円、奥歯まで含めると50万〜110万円です。 範囲を絞れるかどうかで、数十万円の差になります。
ただし、部分矯正で直せるのは前歯の並びです。噛み合わせそのものは変えられません。 目安として、次のような歯並びは部分矯正で対応できる可能性があります。
- 前歯にすき間がある
- 前歯が少し重なっている、1本だけねじれている
- 以前に矯正した歯が少し戻ってきた
反対に、前歯が大きく前に出ている、受け口になっている、奥歯で噛んでも前歯が閉じない、といった場合は、奥歯まで含めた治療が必要になることが多くなります。 「安いから部分矯正」ではなく、「部分矯正で足りる歯並びかどうか」を先に確かめるのが順番です。 部分矯正で動かせる範囲は「部分矯正とは?できる範囲やメリット・デメリットを解説」で詳しく解説しています。
方法2:装置の種類で選ぶ
同じ範囲を動かす場合でも、装置によって費用が変わります。
ワイヤー矯正では、表側矯正 < ハーフリンガル矯正 < 裏側矯正の順で高くなるのが一般的です。 裏側矯正は装置が見えにくい代わりに、一人ひとりに合わせて装置を作る手間がかかるためです。
マウスピース矯正は、上の表のとおり費用の幅がいちばん大きい方法です。 ブランドによって対象とする症例が違い、前歯中心のものから奥歯まで動かすものまであるためです。 「マウスピース矯正は安い」「高い」と一括りにはできません。
装置を選ぶときは、費用だけでなく次の点もあわせて考えます。
- 見た目:表側矯正は装置が目立ちやすく、裏側矯正やマウスピース矯正は目立ちにくい
- 自己管理:マウスピース矯正は、決められた装着時間を守れないと計画どおりに歯が動かない
- 対応できる歯並び:複雑な歯並びでは、選べる装置が限られることがある
方法3:装置代ではなく総額で比べる


料金表で目に入るのは装置代ですが、実際に払う額はそれだけではありません。 矯正では、装置代のほかに次のような費用がかかることがあります。
- 初回カウンセリング料:無料〜5,000円程度
- 検査・診断料:0〜30,000円程度
- 調整料・処置料:1回につき3,000〜7,700円程度
- 保定装置(リテーナー):30,000〜60,000円程度
- 保定観察料:1回につき3,000〜4,000円程度
※ 当院調べ(2026年9月時点)。これらを料金に含んでいる医院もあります。
見落としやすいのが、通院のたびにかかる調整料です。 たとえば調整料が1回5,000円で、2年間毎月通院した場合、調整料だけで12万円になります。 装置代が10万円安くても、調整料が別にかかるなら、総額では逆転することがあります。
実際に、検査料・調整料・初回の保定装置をすべて治療費に含めている医院もありました。 装置代だけを見ても比較にならないのはこのためです。
見積もりで確認したい6つのこと
カウンセリングで見積もりを受け取ったら、次の6つを聞いてみてください。
- 検査・診断料は含まれているか
- 調整料は毎回かかるか。かかるなら1回いくらで、何回くらい通う見込みか
- 治療期間が延びた場合に、追加の費用がかかるか
- 保定装置(リテーナー)の費用は含まれているか。作り直す場合はいくらか
- 装置を壊したり、なくしたりした場合はいくらか
- 抜歯や虫歯の治療が必要になった場合、その費用は別か
この6つがそろえば、医院ごとの総額を同じ条件で並べられます。
方法4:支払い方法と医療費控除で負担を軽くする
分割払いは「月々」が軽くなる代わりに総額が増える
一括で払うのが難しい場合は、デンタルローンやクレジットカードの分割払いを使う方法があります。 月々の負担は軽くなりますが、手数料がかかるぶん支払総額は増えます。
たとえば、東京表参道矯正歯科のLiteプラン(税込15万円)を60回払いにすると、 月々2,800円(初回7,760円)で、支払総額は172,960円(税込)です。 一括で払う場合より22,960円多くなります。
「月々いくらなら続けられるか」と「総額でいくら増えるか」の両方を見て選んでください。 デンタルローンの仕組みや審査については「Oh my teethでデンタルローンは使える?」で解説しています。
医療費控除で税金が戻ることがある
矯正が噛み合わせの改善など機能的な理由によるものであれば、医療費控除の対象になる場合があります。 見た目を整えることだけが目的の場合は対象外です。
1年間に支払った医療費(生計を同じくする家族の分を合算できます)から、保険金などで補填される 金額を差し引き、そこからさらに10万円を引いた額が控除の対象になります。 その年の総所得金額等が200万円未満の方は、10万円ではなく総所得金額等の5%が基準になります。
例:年間の医療費が40万円、課税所得が300万円の場合
控除の対象 … 40万円 − 10万円 = 30万円
所得税(税率10%)… 30万円 × 10% = 3万円
住民税(税率10%)… 30万円 × 10% = 3万円
合わせて 6万円程度が軽くなる計算になります。
※ 税率は課税所得によって変わります。実際の取り扱いは所轄の税務署または税理士にご確認ください。
分割払いの場合も、その年に実際に支払った金額が控除の対象になります。
安くしようとして避けたいこと
費用を下げたい気持ちが強いと、かえって高くつく選び方をしてしまうことがあります。
検査を受けずに、見た目だけで安いプランを決める 歯を並べるスペースや奥歯の噛み合わせは、歯型やレントゲンを見ないと分かりません。 範囲の狭いプランで始めて途中で足りないと分かると、治療をやり直すことになります。
保定装置(リテーナー)を使わない 矯正後の歯は、元の位置に戻ろうとします。保定装置を使わずに後戻りすると、 もう一度矯正の費用がかかります。矯正費用のなかで、あとから最も大きく膨らみやすいのがここです。
自分で歯を動かそうとする 輪ゴムや市販の器具で歯を動かそうとすると、歯ぐきや歯の根を傷めることがあります。 治すための治療費が、矯正費用に上乗せされることになります。
表示価格の安さだけで比べる 前の章のとおり、含まれている費用は医院によって違います。 同じ条件の総額で比べて、そのうえで説明の分かりやすさや治療計画の立て方も見て選んでください。
東京表参道矯正歯科の料金
東京表参道矯正歯科は、マウスピース矯正 Oh my teeth の導入クリニックです。 料金は次の3プランで、治療期間が延びても料金は変わらない総額固定制です。
| プラン | 料金(税込) | 動かす範囲 | 標準的な治療期間(中央値) |
|---|---|---|---|
| Liteプラン | 15万円 | 上下前歯12本の部分矯正(マウスピース上下計14枚までで治療可能な症例) | 約2ヶ月 |
| Basicプラン | 33万円 | 上下前歯の部分矯正 | 約4ヶ月 |
| Proプラン | 66万円 | 上下24本の広範囲の矯正 | 約6ヶ月 |
このほか、インビザライン コンプリヘンシブ(税込88万円)も対応しています。
※ 治療期間は2025年8月1日〜2026年7月31日に治療を完了された方の中央値です(自社調べ)。 歯並びの状態によって異なります。
含まれるもの:マウスピース(上下)、初回カウンセリング、検査・診断、LINEサポート 別途かかるもの:マウスピースを破損・紛失した場合の費用/虫歯・歯周病の治療が必要な場合の費用/抜歯が必要な場合の費用
保定装置(リテーナー):透明なマウスピース型で上下セット11,000円(税込)。 最後のマウスピースをそのまま保定装置として使うこともできます。
支払い方法:銀行振込・クレジットカード・デンタルローン
軽度な歯並びの乱れや、以前の矯正からの後戻りの場合は、Liteプラン(税込15万円)で
対応できることがあります。適応かどうかは検査で判断します。
矯正治療のリスク・副作用
- 装置を付けた直後や調整後に、歯が浮くような感覚や痛みが出ることがあります
- 歯を動かすことで、歯根が短くなる(歯根吸収)ことがあります
- 歯みがきが行き届かないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります
- 治療後に歯が元の位置に戻ろうとする(後戻り)ことがあります。保定装置の装着が必要です
- 歯並びの状態によっては、想定した期間内に治療が終わらないことがあります
- マウスピース矯正では、装着時間が守られないと計画どおりに歯が動きません
矯正は原則として自由診療で、公的医療保険は適用されません。 ただし、顎変形症の外科手術をともなう矯正や、厚生労働大臣が定める先天性疾患にともなう矯正など、 限られた場合には保険が適用されます。該当するかどうかは診断によります。
よくある質問
Q. いちばん安く矯正する方法は何ですか?
一般的には、動かす範囲を前歯だけに絞った部分矯正が費用を抑えやすい方法です。 ただし、部分矯正で足りる歯並びかどうかは検査で決まります。 足りない歯並びを部分矯正で始めると、やり直しでかえって高くなります。
Q. 前歯1本だけなら、もっと安くなりますか?
1本だけを動かすことはできますが、隣の歯との位置関係を調整する必要があるため、 実際には周囲の数本を含めて動かすことが多くなります。 そのため、「1本だけだから極端に安い」とはなりにくいのが実情です。
Q. 保険を使って安くすることはできますか?
矯正は原則として自由診療で、保険は使えません。 顎変形症の外科手術をともなう矯正など、限られた場合にだけ保険が適用されます。
Q. 分割払いにすると損ですか?
手数料がかかるぶん、支払総額は一括払いより増えます。 その代わり、まとまったお金を用意しなくても始められます。月々の負担と総額の増え方を比べて選んでください。
Q. 見積もりを比べるときは、何を見ればいいですか?
装置代だけでなく、検査料・調整料・保定装置の費用、そして期間が延びたときに追加費用がかかるかを確認して、総額で比べてください。
まとめ
矯正を安くする方法は、動かす範囲を絞る・装置を選ぶ・総額で比べる・支払いと医療費控除を使うの4つです。 いちばん差が大きいのは動かす範囲で、前歯だけで足りるなら数十万円の違いになります。
一方で、検査を省いたり保定装置を使わなかったりすると、やり直しの費用がかかり、結果として高くつきます。 「部分矯正で足りる歯並びか」「総額はいくらか」を確かめてから選ぶのが、いちばん確実に費用を抑える方法です。
東京表参道矯正歯科では、矯正の適応を無料で診断しています。 ご自身の歯並びがどのプランに当たるか、総額でいくらになるかを確認したうえで、決めていただけます。





