1回の金額は分かった。ただ、施術そのものは1時間ほどだと聞いている。それで数万円という金額に、感覚のずれを感じている方は少なくありません。
この費用は、施術している時間だけに対して設定されているわけではありません。使う薬剤の管理、施術中ずっと人が付くこと、前後に行う処置、そして設備。これらの合計として決まっています。ここでは、その内訳と、総額を左右する要素、そして見積もりを受け取ったときに確認しておく項目を見ていきます。
1回あたりの相場と、総額との関係
まず金額の目安からです。医院で行う施術の費用は、1回あたり2万〜5万円程度が一般的な目安とされています。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
ここで押さえておきたいのは、この金額は1回分であって、目標に届くまでの総額ではないという点です。1回で目標の白さに届くことは多くなく、3〜5回かかるとされています。総額としては6万〜15万円程度とされることもありますが、これは必要な回数によって変わる数字です。
必要な回数がどう決まるかは、オフィスホワイトニングとは?で3つの変数として整理しています。方法をまたいで金額を比べる手順はホワイトニングの値段はいくら?で扱っています。
費用は何に分かれているのか
では、その金額は何に対して支払われているのか。大きく4つに分かれます。
薬剤
医院で使う薬剤は、高い濃度の過酸化水素です。この薬剤は歯科医師の管理のもとでしか扱えません。
濃度が高いぶん、保管の条件も厳密になります。温度や光の管理、使用期限の管理、そして歯ぐきに触れないよう扱う技術。これらを含めた費用が、材料費として入っています。市販品と単純に単価を比べられないのは、この管理の部分があるためです。
施術中に人が付く時間
医院での施術は、薬剤を塗って光を当てる工程を2〜3セット繰り返す進め方が一般的です。この間、術者が付いて対応します。
塗る、時間を計る、光を当てる、拭き取る、また塗る。この繰り返しに人が付き続けるため、機械に任せて待つ形にはなりません。施術時間そのものが1時間前後だとしても、その時間は人が拘束されています。
前後に行う処置
薬剤を歯に乗せる前に、歯ぐきを保護する処置があります。高い濃度の薬剤が歯ぐきに触れると刺激になるため、覆って守る工程です。
施術のあとにも、歯の表面を整える処置が行われることがあります。薬剤を使った直後の歯は着色を受けやすい状態にあるため、それに対応するものです。
これらは施術そのものではありませんが、必要な工程として費用に含まれています。
設備
薬剤の作用を助けるために光を当てる機器を使う場合、これは医院が用意している設備です。導入時の費用に加えて、消耗部品の交換や点検といった維持の費用もかかります。
機器を使わず薬剤だけで進める方法もあり、その場合は設備の部分が費用に乗りません。使う機器の有無や種類によって、この部分の重さが変わります。
以上の4つを合わせたものが、1回の料金として設定されています。施術時間に対して金額が高く感じられるのは、時間ではなくこれら4つの合計として価格が決まっているためです。
医院によって金額が違うのは、この4つのどこかが違うから
同じ「オフィスホワイトニング」でも金額に差が出るのは、4つの内訳のいずれかが違うためです。
使う薬剤の種類や濃度が違えば、材料の部分が変わります。1回で行うセット数が違えば、人が付く時間が変わります。クリーニングや術後の処置が含まれているかどうかで、工程の数そのものが変わります。機器を使うかどうかでも変わります。
つまり、金額の差は良し悪しの差とは限らず、含まれている内容の差である場合があります。安い側に何かが含まれていないのか、高い側に何かが追加されているのか。ここを見ると、提示された金額の意味が読めるようになります。
総額を左右する3つの要素
提示された金額が、自分の場合いくらになるのか。これを左右するのが次の3つです。
①回数
もっとも影響が大きいのが回数です。目標に届くまでに必要な回数が変われば、総額はその分だけ動きます。
必要な回数は、もとの歯の色・変色の原因・目標の白さで決まります。詳しくはオフィスホワイトニングとは?で扱っていますが、いずれも診察を受けないと確定しません。
②範囲 ― どの歯まで施術するか
見落とされやすいのがこの項目です。施術の対象は、一般に上下の前歯まわりに設定されています。すべての歯に薬剤を使うわけではありません。
ここで問題になるのが、笑ったときに見える範囲は人によって違うという点です。口角が大きく上がる方は奥のほうまで見えますし、そうでない方は前歯だけが見えます。標準的な範囲では自分の気になる部分が入らない、ということが起こりえます。
奥歯まで含めるかどうかで金額は変わります。自分がどこまで気にしているのかを、鏡の前で確認しておくとよい項目です。話した時、笑った時、それぞれで見える範囲を見ておくと、相談のときに具体的に伝えられます。
③付随する処置
施術そのもの以外にかかる部分です。
施術前のクリーニングは、多くの場合必要になります。表面に着色や歯石が残っていると薬剤が均一に届かないためで、これが料金に含まれるかどうかは医院によって違います。
しみやすさへの対応が必要な場合、知覚過敏を抑える処置が加わることがあります。初診料や検査の費用も、別立てになっている場合があります。
見積もりで確認する4項目
以上をふまえると、金額の提示を受けたときに確認しておくべきことが決まります。
1つ目は、その金額が何回分かということです。 1回分の料金なのか、複数回をまとめた料金なのか。ここが違うと、比べているつもりで比べられていない状態になります。
2つ目は、対象がどこまでかということです。 何本が対象なのか、上下ともか、奥歯は含むのか。範囲が違えば金額も違って当然なので、そろえて確認します。
3つ目は、クリーニングや検査が含まれるかということです。 含まれている場合と別料金の場合があります。含まれていないなら、その分を足して考えます。
4つ目は、目標に届かず追加する場合の1回あたりの金額です。 提示された回数で届かなかったときにどうなるか。ここを聞いておくと、想定外の展開に備えられます。
この4つを確認しておくと、提示額と最終的な支払いのずれが小さくなります。総額をそろえて比べる手順そのものはホワイトニングの値段はいくら?で扱っています。
あわせて、支払いのタイミングも聞いておくと予定を立てやすくなります。1回ごとに都度支払う形と、複数回をまとめたコースを先に支払う形とでは、用意する金額もタイミングも変わるためです。まとめて支払う形の場合は、途中で中断したときの扱いがどうなるかも確認しておくと安心です。
自分の歯だと何回必要になりそうか、範囲をどう設定するかは、診察で相談すると具体的になります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
あとから増えやすい部分
想定より支払いが増えるのは、主に次のような場合です。
想定より回数が必要になった場合。 目標が高い場合や、薬剤に反応しにくい歯質だった場合、当初の見込みより回数が増えることがあります。テトラサイクリンという抗菌薬の影響による変色や、加齢で象牙質の色が濃くなった黄ばみは、変化がゆるやかになる傾向があります。
施術前に治療が必要だと分かった場合。 むし歯や歯周病が見つかると、治療を済ませてから始めることになります。この治療そのものは公的医療保険の対象になるため、ホワイトニングの費用とは分けて考えます。
維持のための再施術。 色は時間とともに戻るため、明るさを保ちたい場合は間隔をあけて再度受けることになります。一度払えば終わりという性質ではないので、年単位で見ておくと計画が立てやすくなります。
追加費用になりやすい項目の全体像はホワイトニングの値段はいくら?でまとめています。
保険が使えない理由
ホワイトニングは、病気を治す処置ではなく見た目を整えるための処置です。そのため公的医療保険の対象になりません。全額が自己負担で、料金は医院ごとに設定されています。
医院によって金額に差が出るのは、価格を自由に設定できる仕組みだからです。使う薬剤や設備、施術の内容が違えば、料金も変わります。
ただし、施術の前に必要になった治療は別です。むし歯や歯周病の治療は保険の対象になるため、ホワイトニングの費用とは分けて計算します。
ホームで行う場合との費用構造の違い
自宅で行う方法と比べたとき、金額の大小より支払いの形が違うという点を押さえておくと判断しやすくなります。
医院で行う方法は、1回ごとの支払いが基本です。受けた回数だけ積み上がる形なので、途中で止めればそこまでの支払いで済みます。まとまった額を都度払う形が合う方に向いています。
自宅で行う方法は、最初にマウスピースの作製費がかかり、そのあとは薬剤の費用が続きます。マウスピースの作製と初回分の薬剤を合わせて2万〜5万円程度が目安で、続ける月数だけ薬剤代が加わる構造です。
併用する形では、両方がかかります。
どちらが安いという話ではなく、一度にまとめて払うのが管理しやすいのか、月ごとに分けたいのかという違いです。詳しくはホームホワイトニングとは?とホワイトニングのおすすめはどれ?で扱っています。
自分の条件だとどの形が現実的かは、目標と生活の両方を見て決まります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
オフィスホワイトニングの費用に関するよくある質問
1回だけ受けることもできますか
受けられます。1回でも変化は出ますが、目標の白さに届くかどうかは、もとの色と目標によります。予定に合わせて1回だけ受けるという使い方もありますが、どこまで届くかは事前に確認しておくほうが期待とのずれが小さくなります。
前歯だけにすると安くなりますか
範囲が狭くなれば金額が下がる設定になっている場合があります。ただし、明るくした歯と手をつけていない歯のあいだで色の差が出る点には注意が要ります。どこまでが見える範囲かを確認したうえで決めるほうが、あとから追加するより無駄がありません。
分割払いはできますか
支払い方法の選択肢は医院ごとに違います。予約時や相談時に確認しておくと、当日あわてずに済みます。支払いの形についてはホワイトニングの値段はいくら?でも触れています。
想定より回数が増えた場合、途中でやめられますか
1回ごとの支払いであれば、そこで区切ることはできます。ただし、目標に届いていない状態で止めると、色の戻りとあわせて中途半端な状態になることもあります。続けるか区切るかは、その時点の色を確認したうえで相談してください。
まとめ
オフィスホワイトニングの費用は、施術している時間に対して設定されているわけではありません。薬剤の管理・施術中に人が付く時間・前後の処置・設備という、4つの合計として決まっています。1回2万〜5万円程度が目安で、目標に届くまで3〜5回かかるとされています。
総額を左右するのは、回数・範囲・付随する処置の3つです。とくに範囲は見落とされやすい項目です。笑ったときに見える範囲は人によって違うため、標準的な設定では自分の気になる部分が入らないこともあります。
見積もりを受け取ったら、何回分か・対象はどこまでか・クリーニングは含むか・追加する場合の単価はいくらか、この4点を確認してください。ここがそろえば、提示額と最終的な支払いのずれは小さくなります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

