予算が限られていて、できるだけ費用を抑えたい。ただ、極端に安いものを見つけても、それが同じ内容なのかどうかが判断できない。そんなところで止まっている方は少なくありません。
費用を抑えたいとき、安いところを探すより、自分の条件を調整するほうが総額に効く場合があります。どの方法を選ぶか、どこまでの範囲にするか、どこまで白くするか。こうした条件は自分で決められる部分で、総額を大きく左右します。ここでは、削れる部分と削れない部分の仕分け方を見ていきます。
「安い」は1回の金額では判断できない
まず、金額の見方からです。
提示される金額が指しているものは、医院によって違います。1回分の料金なのか、複数回をまとめた料金なのか。対象は何本なのか。クリーニングは含まれるのか。ここがそろっていないと、数字を並べても比べたことになりません。
そして押さえておきたいのが、この違いは良し悪しの差ではなく、含まれている内容の差である場合があるという点です。少ない工程で構成されていれば金額は下がりますし、工程が多ければ上がります。どちらが正しいという話ではなく、自分の目的に合っているかどうかで判断する部分です。
さらに、1回あたりが安くても、目標に届くまでに回数が必要なら総額は上がります。逆に、初期費用が高く見える方法でも、続ける月数によっては総額が下がることがあります。1回の金額と総額は、順位が逆転するということです。
参考として、一般的な相場を挙げておきます。医院で行う施術は1回2万〜5万円程度です。自宅で行う方法はマウスピースの作製と初回分の薬剤を合わせて2万〜5万円程度、併用する形では5万〜10万円程度とされています。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
金額をそろえて比べる手順はホワイトニングの値段はいくら?で扱っています。
自分で削れる部分
ここからが本題です。総額を左右する条件のうち、自分で決められるものが4つあります。
①方法を選ぶ
まず、支払いの形が方法によって違います。
医院で施術を受ける方法は、1回ごとの支払いです。受けた回数だけ積み上がります。自宅で行う方法は、最初にマウスピースの作製費がかかり、そのあとは薬剤の費用が続きます。
ここで効いてくるのが、通院できる回数です。目標に届くまで何回か通う必要がある方法で、平日に通いにくい生活だと、期間が延びて予定も崩れます。一方、自宅で行う方法なら通院そのものが少なく済みます。
つまり、「1回いくら」だけでなく、自分の生活で無理なく回せるかどうかが総額に跳ね返ります。方法の選び方はホワイトニングのおすすめはどれ?で条件別に整理しています。
②範囲を絞る
施術する範囲を狭くすれば、その分の費用は下がります。
対象は一般に上下の前歯まわりに設定されていますが、笑ったときに見える範囲は人によって違います。自分が気にしているのが前歯だけなら、そこに絞るという選択があります。
ただし、手をつけた歯と手をつけていない歯のあいだで色の差が出る点は理解しておく必要があります。あとから追加すると割高になることもあるため、鏡の前で見える範囲を確認してから決めるほうが無駄がありません。範囲という変数についてはオフィスホワイトニングの費用は何にかかる?で扱っています。
③目標の水準を決める
これがもっとも総額に効きます。
どこまで白くするかによって、必要な回数も期間も変わるためです。「できるだけ白く」という設定だと終わりが決まらず、総額も読めません。
一方、「写真で自然に見える程度」「始める前より明るければよい」といった水準を決めておけば、そこに届いた時点で区切れます。目標を決めることは、そのまま予算を決めることでもあります。
④維持の間隔を延ばす
色は時間とともに戻るため、明るさを保ちたいなら再開が要ります。この間隔を延ばせれば、年単位の費用が下がります。
戻る速さを決めているのは、主に生活習慣です。色の濃い飲食物をとったあとに口をすすぐ、定期的にクリーニングを受けて表面の着色を落とす。こうした対応で戻るのが遅くなれば、再開の頻度が下がります。間隔の考え方はホワイトニングの頻度は2段階で変わるで扱っています。
削れない部分
一方、削らないほうがよい部分もあります。ここを省くと、結果として費用が増えることがあるためです。
事前の検査です。 むし歯や歯周病がないかの確認は、安全に進めるための前提です。未治療のまま始めると、薬剤がしみて途中で続けられなくなることがあります。
必要な場合の治療です。 検査で見つかった場合は治療が先になります。ただし、この治療そのものは公的医療保険の対象なので、ホワイトニングの費用とは枠が違います。
クリーニングです。 表面に着色や歯石が残っていると、薬剤が歯の面に均一に届きません。色の入り方にムラが出て、結果的に回数が増えることにつながります。
薬剤そのものの費用です。 歯そのものの色を明るくする薬剤は、歯科医師の管理のもとでしか扱えません。保管や取り扱いの管理が費用に含まれているため、ここは構造的に下がらない部分です。
これらを省いて始めた場合、途中で中断する、思ったように進まない、やり直しになるといったことが起こりえます。削らないほうが結果的に安く済むという部分です。
総額での逆転が起きる場面
1回の金額で判断すると総額が上がる、という場面を具体的に挙げます。
目標が高い場合。 1回あたりが安くても、届くまでに回数が必要なら合計は上がります。もとの歯の色が濃い方ほど、この差が出ます。
範囲をあとから広げる場合。 狭い範囲で始めて、あとから隣の歯も気になって追加すると、まとめて行うより割高になることがあります。
治療を後回しにした場合。 虫歯を治さずに始めると、途中で中断することになります。さらに、前歯の詰め物を先に入れてしまうと、ホワイトニング後に色が合わずに作り直しになります。この順番については虫歯があるとホワイトニングはできない?で扱っています。
維持を考えていない場合。 一度きりのつもりで始めても、色は戻ります。保ちたいなら年単位で費用が続くため、最初にその見通しを持っておくかどうかで印象が変わります。
つまり、見るべきは「1回いくら」ではなく、「目標に届いて、維持できるまでいくら」です。
自分の目標だと総額がどれくらいになりそうかは、診察で確認できます。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
極端に安い場合に確認すること
金額に大きな開きがある場合、そもそも受けられる処置の種類が違うことがあります。ここは知っておくと判断しやすくなります。
歯そのものの色を明るくする薬剤、つまり過酸化水素や過酸化尿素は、歯科医師の管理のもとでしか扱えません。医療機関以外の施設で受けられるものは、歯の表面に付いた着色を落とす範囲までです。
どちらが優れているという話ではなく、目的が違います。 表面に付いた着色が原因の黄ばみであれば、それを落とす方法で足ります。一方、生まれつきの色や加齢による変化が原因であれば、歯そのものの色を明るくする方法が必要になります。
つまり、金額の差が目的の違いを反映している場合があるということです。自分の黄ばみがどちらによるものかが分かれば、必要な方法も決まります。
判別の考え方は歯の黄ばみを取る方法で、表面に作用する方法の届く範囲はセルフホワイトニングの効果はどこまで届く?で扱っています。
保険は使えるのか
ホワイトニングは、病気を治す処置ではなく見た目を整えるための処置です。そのため公的医療保険の対象になりません。全額が自己負担で、料金は医院ごとに設定されています。
ただし、始める前に必要になった治療は別です。むし歯や歯周病の治療は保険の対象になるため、ホワイトニングの費用とは分けて考えます。
費用を抑えるときに確認しておくこと
相談の場で聞いておくと、総額が読める項目です。
目標の白さを先に決めます。 ここが決まらないと回数が決まらず、回数が決まらないと総額が出ません。順番としては、ここが最初です。
範囲をどこまでにするかを決めます。 何本を対象にするかで金額が変わります。
維持まで含めた見通しを聞きます。 目標に届いたあと、どれくらいの間隔で再開することになりそうか。年単位で考えると判断が変わることがあります。
途中で止めた場合の扱いを確認します。 予算が続かなくなったときにどうなるか。1回ごとの支払いなら区切れますが、まとめて支払う形だと扱いが変わります。
自分の条件でどこまで抑えられるかは、口の中の状態と目標を合わせて相談すると具体的になります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
ホワイトニングの費用に関するよくある質問
前歯だけにすればどれくらい安くなりますか
範囲が狭くなれば金額は下がりますが、下がり幅は設定によって変わります。注意したいのは、手をつけた歯と手をつけていない歯で色の差が出る点です。笑ったときにどこまで見えるかを確認したうえで、対象を決めるほうがあとから追加せずに済みます。
自宅で行う方法のほうが安いですか
一概には言えません。初期費用としてマウスピースの作製費がかかる一方、通院は少なく、続ける月数で総額が決まります。目標が高くて期間が長くなれば、その分積み上がります。生活の条件と目標の両方を見ないと、どちらが安いかは決まりません。
市販品で代用すれば安く済みますか
目的が合っていれば選択肢のひとつです。市販の歯磨き粉などに期待できるのは、表面の着色を落とすことと付きにくくすることです。歯そのものの色を明るくする作用はないため、内部の色が原因の場合は代用になりません。どちらが原因かは歯の黄ばみを取る方法で整理しています。
途中でやめれば費用を抑えられますか
1回ごとの支払いであれば、そこで区切ることはできます。ただし、目標に届いていない状態で止めると、色は時間とともに戻っていきます。始める前より濃くなることはありませんが、かけた分に見合う結果が残らない可能性はあります。区切る場合は、その時点の色を確認したうえで判断してください。
まとめ
ホワイトニングの費用を抑えたいとき、安いところを探すより、自分の条件を調整するほうが効くことがあります。方法・範囲・目標の水準・維持の間隔。この4つはいずれも自分で決められて、総額を大きく左右します。
一方で、事前の検査、必要な場合の治療、クリーニング、薬剤そのものの費用は削れません。これらを省くと、中断ややり直しにつながり、結果として費用が増えることがあります。
そして、金額に大きな開きがある場合は、受けられる処置の種類そのものが違うことがあります。表面の着色を落とすのか、歯そのものの色を明るくするのか。自分の黄ばみがどちらによるものかが分かれば、必要な方法と、それにかかる費用も決まります。まずは原因を確かめるところからになります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

