医院でホワイトニングを受けたのに、思っていたほど変わらなかった。費用も時間もかけたぶん、そのまま次に進む気にもなれません。
こういうとき、まず原因を探したくなります。ただ、そのどれかに当てはめる前に、決まっていないことがあります。「白くならなかった」という判定そのものが、成立しているかどうかです。
成立していない場合、原因をいくら調べても答えは出ません。ここでは、判定が成立するための3つの条件と、欠けていたときに何をすればよいかを順に見ていきます。
原因を探す前に、判定が成立しているかを確かめる
原因の一覧を自分に当てはめるには、その前に決まっていなければならないことがあります。何と比べて、どこに届けば「白くなった」と言うのかです。
比べる相手と、届いたと言える地点。この2つが決まっていなければ、どの原因が当てはまるかを検討する土台がありません。「歯の質のせいかもしれない」と考えても、そもそも何と照らして足りないのかが確定していないからです。
判定が成立するには、次の3つがそろっている必要があります。
| 条件 | そろっていないと | |
|---|---|---|
| ① | 比較の対象がある(施術前の色の記録) | 「変わっていない」が印象の話にとどまる |
| ② | 落ち着いた色で見ている | 落ち着く前の色で判定すると、あとで引く分まで結果に含まれる |
| ③ | 目標が決まっていた | 変化があっても、届いたかどうかを判定できない |
3つがそろって、はじめて「届かなかった」が成立します。そこから先が原因の話です。
逆に言えば、どれか欠けている場合、次にやることは原因探しではありません。条件を揃えて、もう一度判定することです。順に見ていきます。
条件① 比較の対象があるか
「変わっていない」と言うためには、変わる前の色が必要です。当たり前のようですが、ここが抜けていることは珍しくありません。
医院で受ける方法は、1回ごとのできごとです。施術の前と後があり、その差を見る形になります。毎日少しずつ積み上がっていくのを追いかける方法とは、判定のしかたが違います。
施術の前にシェードガイドと呼ばれる色見本で記録していれば、それが比較の対象になります。写真を撮っていた場合も同様です。
記録がない場合、「変わっていない」という判断は記憶との比較にとどまります。これは間違いだという意味ではなく、判定できる状態にないということです。もとの色を正確に覚えている方は、ほとんどいません。
いまからでもできることがあります。現在の色を記録しておけば、次に受けるときの比較対象になります。撮る場所と明るさ、向きをそろえておくと、あとで並べたときに差が読み取れます。
条件② 落ち着いた色で見ているか
次に、いつの時点の色で判断したかです。
施術の直後は、実際より白く見える状態にあります。この見え方が起きる仕組みはオフィスホワイトニングとは?にまとめました。ここでは判定への影響を見ます。
判定に使うのは、落ち着いてからの色です。目安は数日たってからです。
ここで気をつけたいのが、何と比べるかです。「直後は白かったのに数日で戻った」という経験は珍しくありませんが、このとき比べている相手は施術直後の色です。直後を基準にすると、そこから引いた分が「戻った」と見えます。
比べる相手は、施術前の色のほうです。そして落ち着いてからの色が、判定に使う「あと」の色になります。
条件②が問うているのは、見ている色が落ち着いたあとのものかどうかだけです。差があったかどうかは、この段階では関係ありません。1週間後や2〜3週間後に見た場合も、落ち着いた色を見ていることになるので、条件②はクリアしています。
ただし、1ヶ月以上たっている場合は別に考えます。時間の経過にともなう色調の変化が混ざるためです。この場合は「届かなかった」のか「いったん届いたあとで戻った」のかが分かれます。いつ受けたのかも、あわせて伝える材料になります。
なお、間隔をあけずに次を受けても進み方は変わりません。間隔には意味があり、その決まり方はホワイトニングの頻度で扱っています。
条件③ 目標が決まっていたか
3つ目が、見落とされやすい条件です。
「白くなったか」を判定するには、どこに届けば白くなったと言えるのかが決まっている必要があります。目標がないと、変化があっても「届いた」の判定ができません。
そして「白く」という言葉のままだと、目標として機能しません。受け取り方が人によって違うためです。期待の置き方についてはホワイトニングの後悔が詳しく扱っています。
ここで注意したいのが、「何段階上がったか」では判定できないという点です。色見本の記号は、系列が明るさではなく色みで分かれています。番号を比べられるのは同じ系列の中だけで、全体を通し番号として数えられる形をしていません。ホワイトニングのレベルに、この構造をまとめました。
では何が判定に使えるのか。現在地と目標を、同じ色見本の上に置いた記録です。
具体的には、施術の前に医院で色見本を当てて現在地の記号を確認し、同じ色見本の上で目標の記号も決めて共有しておきます。この2つがあれば、あとから見たときに「どこからどこまで動いたか」ではなく、「目標の位置に届いたかどうか」で判定できます。段階を数える必要がありません。
目標が決まっていなかった場合、「白くならなかった」は期待とのズレの話に変わります。これは原因を探しても解決しません。決めるべきものが決まっていなかった、という状態だからです。
3つがそろっていなかった場合にすること
欠けているものがあれば、そこを埋めるのが次にやることです。原因探しではなく、判定できる状態を作り直す作業にあたります。
複数が欠けている場合には、順番があります。
先に決めるのは③の目標です。目標が決まっていないと、①で記録を取っても、その記録を何と比べるのかが決まりません。逆に目標さえ決まっていれば、記録は「その位置に近づいたか」を見るための材料として機能します。
次が①の記録です。過去にさかのぼって作ることはできませんが、いまの色を残しておけば、次に受けるときの出発点になります。
②は時間が解決します。落ち着くのを待って見直せば満たされるので、こちらから何かをする必要はありません。
つまり③→①→②の順で埋まっていきます。いま何もそろっていない状態でも、目標を決めるところから始められるということです。
これには費用の面でも意味があります。目標が決まっていないと、次の1回が何のための1回なのかも決まりません。医院で受ける方法は1回ごとの金額がまとまっているため、その状態で回数を足すほど負担が積み上がる形になります。
一般的な費用の目安は、医院で行う方法が1回2万円から5万円程度です。
※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。本記事で示す金額はいずれも一般的な費用の目安であり、特定の医院の料金ではありません。
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります
内訳の見方はオフィスホワイトニングの費用で扱いました。
いまの状態が判定できる段階にあるかどうかは、口の中を見てもらうと分かります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
3つがそろって「届かなかった」が成立した場合
記録があり、落ち着いた色で見ていて、目標も決まっていた。そのうえで目標に届いていない。ここではじめて原因の話になります。
全体がうっすらとでも動いたのか、特定の歯や範囲だけが動かないのか。ここで見る方向が分かれます。
歯そのものの条件。 どこまで明るくできるかは、方法によらず歯の側で決まります。エナメル質の厚みや内側の象牙質の状態によって、人それぞれ違うためです。手がかりは、全体がうっすらとでも変わっているかどうか。少しは動いたものの目標に届かない場合は、こちらの可能性があります。決まり方はホームホワイトニングの効果はどこまで?にまとめています。
色の種類。 人工物は薬剤では色が変わりません。薬の影響による変色のように、色のある場所が違うものもあります。手がかりは、変わらない部分が決まっているかどうか。特定の歯や特定の範囲だけが動かない場合は、こちらを疑う方向です。見分け方は歯の黄ばみを取る方法に、薬の影響による変色はテトラサイクリン歯のホワイトニングで扱いました。
この段階まで来ると、回数を重ねる以外の方向を検討します。医院で受ける方法と自宅で行う方法を組み合わせる形もそのひとつで、デュアルホワイトニングとは?に考え方があります。
施術を受けた医院に伝えるとき
結果に納得できていない場合、伝えてよいのか迷うところです。
結果の共有は、次の計画を立てるための情報です。うまくいかなかったことを申し立てる場ではなく、いまどう見えているかを渡す場だと考えると、話を切り出しやすくなります。
持っていくとよいものを挙げます。
- 受けた時期と回数
- 施術前の記録(あれば)
- いつの時点の色で判断したか(直後か、落ち着いてからか)
- 目標として共有していた色(あれば)
この4つは、条件①②③がそろっているかを確かめるための材料です。記録が①、いつの時点で見たかが②、共有していた色が③にあたります。そろっていれば、次に受けるかどうかの相談がそのまま始められます。そろっていない場合は、どれが欠けているかを一緒に確かめるところからです。
伝えたあとに何が起きるかも、先に知っておくと連絡しやすくなります。まず確認されるのは、いまが判定できる段階かどうかです。そのうえで、回数を足すのか、方向を変えるのか、いったん様子を見るのかを決めていく流れです。次を受けることが前提になるわけではありません。
伝える先は、施術を受けた医院です。そのうえで、判定できる段階にあるかどうかを別の場で確かめておきたい場合もあります。オフィスホワイトニングの詳細はこちら
オフィスホワイトニングで白くならなかったことに関するよくある質問
施術前の記録がありません。もう判定できませんか
過去の施術については、比較の対象がないまま考えるほかありません。ただし、いまの色を記録しておけば、次からは判定できます。記憶で比べるより、記録どうしで比べるほうが確かです。過去の分をどう扱うかも含めて、いまの状態を見てもらうところから始められます。
1回で判断するのは早いですか
医院で受ける方法は、複数回に分けて進めるのが通常です。何回で目標に届くかは、もとの色や目標によって変わります。進み方についてはオフィスホワイトニングとは?が詳しく扱っています。ただし回数の前に、判定の条件がそろっているかを先に確かめます。
もう一度受ければ白くなりますか
条件によります。判定の3つがそろっていなかった場合は、まず条件を揃えて見直す段階です。そろったうえで届かなかった場合は、回数を重ねるより方向を変える検討に入ります。どちらなのかで、次にすることが変わってきます。
自宅で行う方法に変えれば違いますか
理由によって変わります。判定の条件が欠けていただけなら、方法を変える前にそこを揃えるほうが先です。歯の側の条件で届かなかった場合は、方法を変えても同じところで止まります。自宅で行う方法で変化が見えないときの切り分けはホームホワイトニングで白くならないときにあります。
まとめ
医院でホワイトニングを受けて変わらなかったと感じたとき、原因を探す前に確かめる段階があります。その判定が成立しているかどうかです。
条件は3つです。施術前の記録があるか。落ち着いた色で見ているか。目標が決まっていたか。このうち何かが欠けていると、「白くならなかった」という判断そのものを確かめられません。
欠けている場合にすることは、条件を揃えて判定し直すことです。順番は③目標、①記録、②時点。いま何もそろっていなくても、目標を決めるところから始められます。
3つがそろったうえで目標に届いていなければ、そこではじめて歯の側の条件や色の種類の話になります。順番を逆にすると、確かめられないまま回数だけが積み上がることになります。
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※ホワイトニングは自由診療(保険適用外)です。
・治療内容:マウスピースを用いたホームホワイトニング
・標準的な費用:初月22,000円(税込/マウスピース作成を含む)、2ヶ月目以降11,000円/月(税込)。マウスピースをお持ちの方は初月11,000円(税込)
・主なリスク・副作用:施術中や施術後に歯がしみる(知覚過敏)、歯ぐきの一時的な白濁や刺激感、時間の経過にともなう色調の後戻りが生じる場合があります
・受けられない場合:無カタラーゼ症の方、妊娠中・授乳中の方、未治療の虫歯や重度の歯周病がある方などは受けられない場合があります
・効果の感じ方や必要な期間には個人差があります

